関東一の秘境!?恋人の聖地「横須賀美術館」に1人で行ってきた
こんばんとわだ!
7/10(月)朝、展覧会情報サイト『Artscape』を見ながら、「グッとくる特設展が無いなぁ」とふと窓に目をやると…
外はピーカン晴れ。そして平日。これは美術館日和!そこで、とわだは思いつきました。
今日こそ横須賀美術館に行く!!!
いつか何かの本で見た夜景にひとめぼれし、夢にまで見た横須賀美術館…
今日はとうとう行って参りました!
この横須賀美術館、「秘境」とか「穴場」とか言われているのですが、それには訳があります。
とにかくクソ遠い!
京急の馬堀海岸、もしくはペリーの浦賀という駅が最寄りなのですが、そこからさらにバスorタクシーで行かなければなりません!
(↓の電車マークの辺りが最寄り、☆マークの辺りが美術館)
ただでさえ最寄り駅まで行くのも一苦労なのに、「観音崎」という岬まで行かなきゃいけない…
品川駅から約1時間で、京急線馬堀海岸駅に到着。13:00位には家を出たはずですが、馬堀海岸に着いたのは14:30位になってしまいました。
しかし貧困マンの僕、バス代をケチって徒歩で行くことを決意。
思ったよりも田舎な駅周辺に、少し不安を覚えつつもスタート。
一応、横須賀美術館公式ホームページのアクセス案内にも、「徒歩で海岸線をのんびり小1時間プチウォーキング♪」的な感じで、徒歩で行く人用の地図が載せてあります。国道16号という海岸沿いの道を東に道なりに進むだけですので、シンプルです!
ただ、先に言っておくと徒歩はあまりオススメしません(笑)
かなりアップダウンの激しい道が続き、体力がどんどん奪われていきます。
「のんびりお散歩デート♡」なんて彼女を引き連れて徒歩を選んだときには、ブチギレられること必至です。これはお散歩ではなく、もはや軽い登山!
実際、ランナーやロードバイカーの人ばかりで、僕みたいにTシャツでほっつき歩いてるアホはいませんでした。上半身裸のガチムチ外国人が猛追してきたときは焦りました。
デートではおとなしくバスに乗りましょう〜!
とはいえ今回は野郎一人。港町を抜け、黙々と坂を登り続け、気づけばこんな高台に。素晴らしいお天気!ニューバランス1400を履いてきて良かった〜!
かなりの早歩きで、40分くらい経った頃でしょうか。遂に!遂に!夢にまで見たあいつが姿を表しました!
はぁー美しい〜!
もっとモダンモダンしているのかと思ったら、緑に溶け込んでいる…
福生市庁舎や公立はこだて未来大学も手がけた建築家、山本理顕氏の作品です。素敵で偉大な建築家さんですね!
一眼レフを持ってない自分に怒りたい…
特設展では、「美術でめぐる 日本の海」を開催中。
この特設展も素晴らしかったです。に始まり油絵、くじら型の玩具、法被、屏風、大漁旗などなど…「海」にまつわる日本作家のアートが、ジャンルを問わず集められています!
とわだ的オススメ鑑賞ポイント!
☆冨嶽三十六景、冨士三十六景など、葛飾北斎、歌川広重といった名だたる画家の作品!
☆サントリートリスウイスキーのイラストで有名な、柳原良平氏の作品!
☆展覧会のために作られた大漁旗と、その歴史!
展示室に入ってすぐにある作品は、冨嶽三十六景や冨士三十六景といった超名作。「ヒロシゲブルー」を至近距離で見られるのは、貴重な機会かもしれません。
そして、僕が今回最も気に入ったのが、トリスウィスキーのダンディなキャラクターでおなじみ、柳原良平氏の船に関する作品。
柳原良平氏は船がお好きで、かわいらしいキャラクター以外にも、実在の船をモチーフにした切り絵を制作しています。サントリーの他に、日本郵船のポスターを手掛けていらっしゃったり。貨客線のみならずばら積み船の断面の絵などもあり、柳原氏の船愛をひしひしと感じられます。
そう、何がびっくりしたかって、柳原氏の絵をよく見ると切り絵なんです。人の顔などのディティールはインクで描かれており、切り絵と手描きの雰囲気が妙にマッチして暖かい作風になってます。
きっとあなたも、柳原良平氏の虜!
そして、展の締めくくりは大漁旗コーナー!三富染物店という、天保4年創業の由緒正しい大漁旗工房が、今回の展覧会のために巨大大漁旗を製作。圧巻です。
こちらはエントランスにあった、撮影可能な大漁旗。
展覧会鑑賞後は、館内を探検…
館内の螺旋階段で、屋上へ。
いよいよ来ました…
横須賀美術館名物、屋上からのオーシャンビュー!!!!!
晴れの日に来たかった最大の理由が、この屋上からの景色です。淀みない空の色が伝わるでしょうか?
いろんな角度から撮りまくります(笑)
海にはばら積み船、タンカー、貨客線と様々な船が航行しており、無料の望遠鏡で観察することもできます。
横須賀とだけあって、運が良いと軍艦も見られるようです。
いや〜さすが恋人の聖地!美しいの一言!
自然を満喫し地上階に降りると、より身近に海を感じられる絶景が…
このエントランスの外に、ミュージアムショップとレストランがあります。
ミュージアムショップに特設展のクリアファイルが無かったのですが、なかなか手に入らないという柳原良平氏の作品集『月刊 たくさんのふしぎ 2014年4月号 貨物船のはなし』を買いました。
売り場のポップに「この展限定で再入荷!貴重!」とあり半信半疑でしたが、Amazonで確認すると、なんとマーケットプレイスで倍の値段がついています!
どうやらこの『貨物船のはなし』が、ご存命中最後の作品だったようです。(追悼作品集はそれ以降にも出ているようです。)
ミュージアムショップのマダムが非常に親切で、オススメの撮影スポットをたくさん教えてくださりました。
マダムの「今の時期、閉館の時間(18:00)でも明るいんですよ」という一言で、夜景を見ることを断念…(笑)
この景色を見ながら買った本を…とも思ったのですが、帰りも歩きなのでそろそろ美術館ともお別れ。
マダムの教えてくれた鉄板アートの道を通って国道に戻り、馬堀海岸駅へ…
正直疲労困ぱいでしたが、途中の横須賀サンセットを見て徒歩も捨てたもんじゃないなと感動しました。バスじゃ写真には撮れませんもんね!
品川から一本で行ける場所とは思えない、都会の喧騒とは程遠い空間。まさに秘境美術館でした。
身近にあるようで遠い存在の海、空、船がもつ、独特の輝きに気づくことができました。
一人で行っても誰かと行っても、きっと日ごろのストレスを癒してくれるに違いありません!
ぜひ、週末の遠出に、横須賀美術館をご検討してみてください。
横須賀美術館ホームページ